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「やっぱり行くのは止めましょう」
レミィが再度止めようとするが……
「いや、火竜の山には俺一人でも行く、伝説のドラゴンに闘いを挑めるなんてそうあるもんじゃない、シェリアはお前達に任せた」
「そう言うと思いました」
諦めにも似た表情でレミィは受け入れた、一度決めたら絶対に考えを曲げないことはレミィが一番分かっていたからだ。
「分かりました、私も行きます、私がいないと貴方はすぐに無茶をしますからね、ふふっ」
レミィは言い知れぬ嫌な予感を感じていたが、それを感じさせまいと微笑んで見せた。
「シェリアの事は宿屋の女将さんに帰ってくるまでの間、面倒を見てもらおう、シェリアにも何とか説得してみる」
「あ~もうしょうがないな、分かったよ俺も行くよ」
頭を掻きながらキッドが言う、言葉とは裏腹にその目は全然仕方ないとは思っていない、こうなることはやはり予測出来ていたし、レミィやノーランの手前ああは言ったが、やはりお宝はキッドにとって魅力的だった、レミィ達を残していくならディックと二人ででも行くつもりだった。
「背中はあたいに任せな!」
胸をドンと叩きノーランもキッドに続いて言う。
「俺の我儘に付き合わせてすまない」
「いつもの事だろ、気にすんなよ」
この時、部屋の扉の前でじっと息を潜めていた影を四人は知らなかった……
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