不思議の国の大統領

Ⅰ‐１

「たった今連絡が入りました！
東海岸のポートウェブスター海軍基地がテロリストの襲撃を受けています！！」
「ああ、そうかい」

…………

私はたっぷり3秒は置いてから、急いで顔をシュミットに向け直した。

「何だと？　迎撃状況はどうなってる！？」
「正直、良い状況ではありません。
敵は攻撃の第１波を精確に兵力に絞って仕掛けてきました。
また、事前にポートウェブスターに潜入し、基地の要所に爆弾を設置してもいたようです。
敵の攻撃と共に駐屯2個大隊のうち3分の2が無力化、また基地機能の大部分を喪失しました」

部隊の3分の2がやられた？　それは『壊滅』というんじゃないのか！？　何てことだ…。
私は長めに息を吐くと少しだけ天を仰いだ。