8人が本棚に入れています
本棚に追加
/33ページ
手紙を読んで僕はため息を吐いた。
照子さんが悪いわけじゃないのもわかってる。だけど……
「おじさん、僕は照子さんの期待を裏切ったのかな」
手紙から顔を上げておじさんは見る。彼はいつも通り喉でククッと笑った。
「何、勝手に期待して勝手に裏切られただけだろ。お前のせいじゃねーよ。もちろん、彼女のせいでもないがな」
「ハハハ」
僕は力なく笑った。
なぜ、笑えたのかわからないけど凄く可笑しかった。
おじさんも僕に合わせて笑った。笑う事柄じゃないけど、悲しむことでもないから。
そんなことに傷付いていたら、もう僕たちはボロボロになってないといけないから。
最初のコメントを投稿しよう!