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僕の今後の人生を大きく変えたのは…
この時の発言がきっかけになってしまったのかもしれない…
此れは、十年前のある日の午後…
「か~いとっ」
僕に駆け寄る一人の女の子
「なにしてるのぉ?」
僕達は今、花畑にいた…
「お花の帽子つくってるの♪」
「うれしい♪あたしの為に作ってくれたんだぁ♪」
え…と言う顔をする僕。
「ありがとう♪」
と、僕の手から花の冠を取り上げる。
此処で大人しく引き下がっていれば良かったのかもしれない…。
「か、返して!」
花の冠を取り返そうと、取っ組み合いになる。
「きゃっ!」
僕は力任せに花の冠を奪い、彼女に怪我をさせてしまった…
「う…うわぁぁぁん」
初めて女の子を泣かせてしまった。
「な、泣かないで」
一生懸命 なだめようとするもなかなか泣き止んでくれず…
「僕…どうしたらいいの…?」
この言葉を待ってましたと言わんばかりに
「うっ…ひっく…」
急に彼女の泣き声が小さくなった。
「ごめんね…どうしたら、笑ってくれる?」
どうしたら…
“何をしたら、また笑顔を見せてくれるの?”
彼女は、こう解釈した様だった。
「ひっく…あたしを…かいとのお嫁さんにしてくれる…?」
泣き止んでくれるならと
「わかった、お嫁さんにしてあげる!だから泣かないで…」
彼女は泣いていたのが嘘みたいに、笑顔を見せてくれた。
僕らは手を繋いで、家に帰って行った。
まさか…
後々、この約束が仇になるとは…
思ってもみなかった…
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