払い下げの怪力アンドロイド

13/14
前へ
/17ページ
次へ
「ああ、もう準備が出来たのかな」 「はい、もう玄関でパパさんを待ってますよ」 「そっか・・・あ、ちょっと止まってツボミ」 「はい」 僕の言う通り、一時停止するツボミの首もとに手を伸ばす。 ネクタイが曲がっていた。 直してやり、自分も鏡を見て確認する。 やっぱり慣れないな。 黒いネクタイと背広、白いシャツ。 地味なのに、コントラストが目に痛い。 「あ、もういいよっ」 「はい」 瞬きすらせず固まっていたツボミを鏡越しに見て、慌てて命令解除する。 ツボミが本来は必要無いフェイクの瞬きと息をして、動き始めたことを確認した。
/17ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加