1人が本棚に入れています
本棚に追加
そしてそれら、リサイクルにまわされたアンドロイドは講堂いっぱいにヒシメいていた。
右を見ても左を見ても、歩く先を見てもアンドロイド。
すれ違うのすら面倒な隙間を、娘はチョロチョロと進み、キョロキョロと品定めしていた。
やがて、講堂で一番大きな、毛むくじゃらのピンク色の熊の影に、娘は目当ての物を見つけ出す。
赤茶色の髪を逆立てて、見るからに安物のジーンズとTシャツを着せられている男性型アンドロイド。
電源を落とされた無表情の顔は、愛嬌のある美形、という感じだった。
けれど、少年と青年の間くらいの歳に容姿を作られたアンドロイドに、僕は眉間に皺を寄せた。
最初のコメントを投稿しよう!