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新しいスーツに袖を通し鏡を覗くと、そこには何とも情けない自分の顔。 佐倉 杏介。 今日から社会人としてスタートする。 ふと鏡の中の自分から目線をズラすと、机の上にあるクローバーのしおりが目に入る。 振り返ってそれを手に取ると、緊張で冷たくなっていた心が、フッと暖かくなるのを感じる。 よしっと両手で2回、頬をペチペチと叩き、もう1度鏡を覗くと、さっきまでの不安な顔はどこかに消えていた。
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