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君に初めて会ったのは、小学2年の夏。夏休みの数週間前くらい。
「みんな~。席につきなさい。」
担任の渡辺先生の声で席につく。
私の席は窓側の1番後ろ。
「今日は転校生を紹介します。」
"いえ-い。転校生だって~。"
クラスは異常に盛り上がった。
「みんな、静かに!!自己紹介してくれるかな??」
「はい..。えっと..。僕、日向恋-ヒムカイレン-です。よろしくお願いします」
「恋くん。よろしくね」
渡辺先生はにこっと笑い、私のほうを見た。
「席は、ことりちゃんの隣ね!!ことりちゃん、手挙げて~。」
私は、手を挙げた。
「恋くん。ことりちゃんの隣に座ってくれる??」
「わかりました。」
恋くんは、私の席に近づき、隣の席に座った。
なんとなく無言で気間づい空気になった。
そんなとき、先に口を開いたのは恋くんだった。
「こ..ことりちゃん??」
「な..なに??」
「僕ね、教科書まだ無いから、見せてくれる??」
「いいよ」
私は教科書を、机と机の真ん中に置いた。
「ありがとう!!ことりちゃん」
満面の笑顔でお礼を言われたので、言葉が返せなくなった。
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