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とある森の中。
雨が止み、水の雫が葉の表面を滑り落ち、木の下で雨宿りしていた少女の頭をぴちゃんと音を立てて叩いた。
少女はゆっくりと頭上を見上げる。
木々の切れ間からは木漏れ日が差し込み、葉の上で輝く雫はまるでガラス玉のようだった。
少女は手に持ったバスケットを揺らし、木の下から抜け出す。
「ありがとうございました」
少女は目一杯の声でお礼を言い、深々と頭を下げて帰路へと着いた。
その後ろで枝を風になびかせ、木が手を振っていた。
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