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少しだけ走ると、人影が視界に入った。
それへ近付く。
目の前に現れたのは金色の髪をした、水色の瞳の男の子。
「すいません!ここ何処ですか?」
男の子の肩をとって揺さぶる。
「わわわわ、何?どうしたの」
男の子は俺の手をとると、此方へ押しやり水色の瞳で顔を覗きこんできた。
「変な男にここは魔界だって言われて、逃げてきたんです!」
「…ここは魔界だよ?」
あぁ…こんなに可愛い子まで頭可笑しいなんて…
「正確に言うと、明暗学園男子寮のC棟。三階だよ」
ニコッと屈託のない笑顔。
男の子は俺の手を引くと窓際まで連れていき、窓から身を乗りだし指を指した。
「あの一番奥の建物がA棟。手前の建物がB棟だよ」
指を指した先には5階建てのマンションが2棟立っていた。
ふと、空に目をやると…
見てない見てない。
人が空を飛んでたなんて…
見てないよ俺…
「ダンー!おはよう!今日も空飛んでたんだー!気持ちいい?」
「クリスおはよう!俺は風の属性だからね!超気持ちいいぜー!」
隣で男の子が空に向かって叫んでる。
風の属性とか…
ちょっと俺には理解出来ない。
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