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「おい…」
背後から低い声が聞こえた。
俺よりも速く男の子が振り向くと、また屈託のない笑顔を浮かべる。
「アズマ!おはよう!」
振り返った先には先程の青い瞳の男が立っていた。
「分かったか?此処が魔界だって」
男は口角だけあげて意地悪そうに笑う。
「ちょっと待て!そしたら俺のいた世界は!?どうしてこんなとこにいる?」
夢じゃないとしたら。
こいつらが頭の可笑しい奴らじゃなかったら。
どうして俺はここにいる?
「お前が自ら魔界に迷いこんだんだろ。魔界の入り口に触れたか?」
魔界の入り口…?
あの噴水が入り口だったのか…?
「触れたかも…」
「じゃあ、自業自得だな。」
男はじっと俺を見てるだけで、他に何も言ってこない。
俺にどうしろと…?
「帰り方は?」
「ない」
即答されました。
撃沈。
「あるよ。1つだけ!」
となりにいた水色の瞳の男の子が口を開いた。
「君が魔術で向こうの世界にいけばいいよ」
ニコニコっと笑って。
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