第1話『神谷零香』

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『若すぎる?どういう意味?』 『聞かない方が、幸せかもしれない。聞いたら、辛くなるだけだ!』 大我の言葉に、零香が返したのは、物問いたげな沈黙だった。それに促されるようにして、大我は続けた。 『悪いな…零香。無責任な、兄貴で!』 兄大我の言葉に零香は口を開かず、さらに沈黙していた。 そして自分の部屋へと階段を上り始め、部屋へ戻ってしまった。 それ以上神谷大我は何も言えなかった。 ―午前2時48分― 寝台に横になっている神谷零香は、目にはすうっと一筋の涙がこぼれ落ち、布団で必死に涙を拭いた。 『なんで言ってくれないの』
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