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『若すぎる?どういう意味?』
『聞かない方が、幸せかもしれない。聞いたら、辛くなるだけだ!』
大我の言葉に、零香が返したのは、物問いたげな沈黙だった。それに促されるようにして、大我は続けた。
『悪いな…零香。無責任な、兄貴で!』
兄大我の言葉に零香は口を開かず、さらに沈黙していた。
そして自分の部屋へと階段を上り始め、部屋へ戻ってしまった。
それ以上神谷大我は何も言えなかった。
―午前2時48分―
寝台に横になっている神谷零香は、目にはすうっと一筋の涙がこぼれ落ち、布団で必死に涙を拭いた。
『なんで言ってくれないの』
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