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『先生って!兄貴の担任だったの?』
零香の質問に、岡田先生は答えた。
『そうだよ…大我は8年ぐらい前に担任をしていたよ。まさか…妹が居るとは知らなかったよ!大我は就職とかしてるのか?』
岡田先生の質問は零香にもわからなかった。自分の兄が何の仕事をしているのかもわかるはずもなかった。本当は一番知りたいのは彼女の方だ。
『すみません…ウチもわからないんです。兄が何処で仕事をしているのかも!』
『そうか…でもアイツは、頭もよかったし、何でも出来た。優秀な生徒だったよ』
彼女は、岡田先生の言葉はまるで気遣ってるように聞こえた。
『ありがとう…先生!じゃあ…もう帰ります!さようなら』
『待て。神谷!何かあったら先生に相談しろよ。話聞いてやるから』
『ありがとう先生。でも大丈夫だから』
校門を通り過ぎ、零香は視線を横に向けた。
そこには零香と同じクラスメートの新崎ルカがたたずんでいた。
『ルカ?何してるの?』
新崎ルカは驚い表情を浮かべ零香を見返した。
『零っ!零香…帰るの遅いんだね…ハハハ』
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