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新崎ルカは、もぞもぞとしていた。しかし神谷零香は彼女の行動がわかっていた。
『ルカは待っててくれたんだよね』
優しく声をかけてあげた零香の言葉に、ルカの頬は赤くなった。
『うっ…うん!零香とは入学式で初めての友達だもん』
それを聞いた零香は笑い出して、そしてルカの背中をおもいきっり、叩いた。
『ルカ!!最高!一緒に帰ろうか』
『痛っ痛いよ!零香!もっと優しくしてよ。』
零香は、久しぶりに笑ったと内心そうつぶやいていた。
二人は、たまたま帰る道が一緒だった。
歩き始めて、10分が経った時、零香は口を開いた。
『ねぇ!ウチの家族って!兄しか、居ないわけよ。でもね、ウチの家はさ、自慢じゃないけど、凄いデカイのよ。ウチが生まれた時は、マンションで住んでたのに、ウチが小4の時に、家を引っ越して、今の家なんだけど。その時は、親も居ないのに、兄一人だけだった。でもどうして、あんなデカイ家に引っ越せたんだろ。兄は、その時まだ働ける歳じゃなかったはず。』
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