第四章

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香はいつもと変わらない笑顔を向けてくれていた。愛くるしい笑顔も今は冷たく感じられる。         その笑顔に合わせるように無理やり笑顔を作ろうとした。 しかし、笑顔を作るのは苦手だった。表情が少ないと指摘されたこともあったほどだ。         渇いた笑いが部屋の中にこだまする。         「買い物に行ってくるよ。」         高志は静かに立ち上がり、一人、部屋から出て行った。
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