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いつもと変わらない朝。変わらない時間。変わらない空間がそこにあった。
高志は浅い眠りから目覚めてぼんやりと天井を眺めていた。
いやに頭が重い。
今日もまたあまり眠れなかったのだろう。
いや、正確には「眠らなかった」という方が適切かもしれない。
なぜ眠りたくないのか。理由は分かっている。
今、何よりも夢を見るのが嫌なのだ。
幸せな夢ほど今の高志には悪夢となる。悪夢はそのまま高志の心を傷つける。
だからどこかで眠ることに恐怖を覚えているのだ。
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