波紋

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「また 来よう」 佳幸はそう言って また萌子の髪を撫で笑った。 優しい笑顔に萌子の心は じんわりと温かい気持ちになった。 あぁ この笑顔に惹かれたんだなと萌子は佳幸を見上げた。 「うん、帰ろう 佳幸」「あぁ」 差し出された手を萌子は握りしめた。 「相変わらず冷たい手だな」笑いながら佳幸は萌子の肩を寄せた。 萌子は身を任せながら 扉をゆっくり振り向きながら 閉めた。 「真っ直ぐに帰るか?俺の家に寄るか?」 「そうだね、今日は帰る。明日は早いし」 「んじゃ 家まで送る」 萌子は頷き 佳幸の車に乗り込んだ。 「寒くないか?萌子?」シートベルトを掛けながら 佳幸が萌子の顔を覗き込む。「うん、大丈夫」 と答えると 佳幸は萌子の手を握りしめて来た。「後半年したら ずっと一緒だな」真っ白い歯を覗かせ 佳幸は笑った。
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