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「おじょーちゃん、何してんの?」
後ろから、声がした。
一瞬、ドキッとして、物陰に隠れようとする、私。
だけど、私が隠れるよりもその子が後ろから私の腕を引っ張る方が早かった。
腕を振り解こうとして、私はつい後ろを向いてしまった。
そこには、立っていたのはひとりの男の子。
パッと見て、私と同い年に見える。
ボーイッシュな外ハネのショートカット。
美形とは言い難いけど、それなりに整った顔立ち。
その男子の全身を見てみると、彼は短ランを着ていた。
しかも、結構着くずしてるし。
普通の学校なら、校則違反になるだろう。
そして、両腕には色違いのリストバンドをしていた。
「―――離して!」
私が大声で叫んだ瞬間、彼は驚いて手を離した。
しつこい人じゃなくて、よかった。
私は心の中で、ほっとしていた。
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