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「おじょーちゃん。ここ、俺の特等席だからさ、くつろぐならどっか違うトコに行ってくれねぇかな?…悪ぃけど。」
さて、改めまして、この目の前にいる男子は何者なのでしょう?
私は、いつの間にか、その子と向き合っていた。
「あなた、だ――」
「あれ?そういえば、オマエ、見慣れない顔だな。」
かぶされてしまった。
ってか、おじょーちゃんからお前になっちゃったよ。
そして、彼は携帯のようなものを手に取り、電話をかけ始めた。
「―――ああ、俺だけど。悪ぃけど、服持ってきてくれねぇかな?俺?屋上にいるから。ダッシュで来て。じゃっ。」
電話をかけ終えて、男の子が私のところに迫ってくる。
「で、お前は誰なんだ?―――ってか、こんなカッコしてて恥ずかしくないのか?いくら私服OKだからといって。」
こんなカッコ、って言われて、自分の格好を見直してみる。
紛れもなく、普段から寝巻きとして着ているである。
しかも、白とベージュのボーダーの地味めな。
なんか、お母さんが着るような若さゼロの。
こんな姿を見られるなんて、なんか恥ずかしい。
家族以外、誰にも見せたこともない、地味過ぎるパジャマスタイルなのに。
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