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私は、怯えるように物陰に隠れた。
今の私には、現状を把握出来ない恐怖と、恥ずかしい姿を見られたことに対する羞恥心が入り乱れまくっている。
もう、いっそのこと、
"また"死んじゃいたい。
ここが天国じゃなければ尚更だ。
そんな私の様子を見た男の子が笑顔で一言。
「そんなに怯えなくても大丈夫だよ。もうちょいしたら着替え来るし。」
まだ、警戒心は解けない。
この子が何をしたいか、何をするつもりかわからない。
「まあ、確かにこのカッコじゃ恥ずかしいと思うけどさ……。俺、嫌われてんのかな……。」
男の子が困り顔でぼそっとつぶやいた。
つぶやきにしては大きめな声で、私の耳に思いっきり届いているけれど。
「ところで、名前は?俺の名前は成瀬最(ナルセ・サイ)だけど。」
「……私は愛瑠。……神山愛瑠(カミヤマ・アイル)……です。」
ただ名前を聞かれただけなのに緊張する。
ただでさえ、男子と話したことなんて、あまり無いのに。
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