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子供といえども身元の分からぬ者を城の内部へ入れ、さらに姫の遊び相手にするなどということは特例中の特例だろう。
そんなリスクを負ってまで自らを受け入れ、育ててくれた城の者に感謝し、その恩を返すべく彼は隠刃となることを志願したのだ。
修行の成績はいつもトップクラス
だが、彼には一つの大きな悩みを抱えていた。
任務を失敗して満身創痍で城に帰り、手当てを受け終わったときだ
タイミングを見計らったようにドカッと勢いよく襖が開かれた
「かげとらっ!?
グスン…しんぱい、したんだから、ねっ?影虎が死んじゃったら私は…私は…」
姫様が加減なく思いっきり突進してきたのだ
「ぐあぁぁぁっ…き、傷口が開きます、姫様っ、離れてっ…ぐっ、下さい……」
はっとしたように姫様はすぐに離れてくれた
安心した反面、ちょっと残念かも主君に対して邪な感情をもってしまったことに罪悪感を覚えた。
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