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「よし、終わり…」
漫画を眺めていた俺の耳にフェリアの小さな呟きが入ったので振り返ると、掃除機を片付けるフェリアの後ろ姿が。
俺は労おうと声をかける
「お疲れ様」
「ひゃいっ!?」
…? 何故かとっても驚いた様子で振り返ったフェリア、心なしか顔が赤いような…まぁ気にせずに進める。
「掃除ありがとうな」
「い、いえ…」
フェリアは赤い顔を伏せがちに会話する、なんだか様子が変だ…ちょっと聞いてみるか
「…今日なにかあった?」
「ふぇ!? え、えっと…その」
どうにも図星らしい、明らかに動揺したあと、俯いて黙ってしまう。
なにか考えているのか、手を遊ばせながら視線をあちらこちらに向けている、だが不意に口が開く
「実は…お願いがあって」
「お願い?」
「はい…」
目を反らせながら発したその言葉を聞いて、頭の中の疑問が解決する。
なるほど、お願いを聞いてほしいから頑なに一人で掃除を頑張ったわけか。
「あの…」
律儀なやつだ、いつも家事をしてもらってるんだからお願いなんていくらでも聞いてあげるのに。
「その…」
欲しい服でもあるのかな? そう言えば新服入荷のチラシを貰ったなぁ、
「えっと…」
日頃、世話になってるし、ここは聞いてあげないとね。
「なんでも言ってみてよ」
「はい、あの…」
「うん」
「頭を…撫でて欲しいです…/////」
「うんうん…うん? …うんん!?」
予想外なお願いに、俺の思考回路はフリーズした。
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