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次は明日の朝飯、フェリアは棚の食品を眺めながら思考を巡らしている。
俺は斜め後ろに着いていく、朝飯に関してはフェリアに任せっきりなので、ここで出番はまったくない。
独り暮らしの頃は夕食のあまりとか、調理パンとかばっかで手料理なんてまったく食べなかったなぁ…。
ふとそう思うと今の環境の贅沢さに有り難みと申し訳なさを感じてしまう。
俺は食品を眺め続けるフェリアに聞いてみる
「毎日大変だろ、別にパンでもいいよ、たまには」
するとフェリアは面食らった顔で振り返った、そして困ったように微笑む。
「大丈夫ですよ、私が作りたいだけなんですから、大和さんは気にしないでください」
「そうか?」
「ええ♪」
「…そっか」
もう少し押してみようと思ったが、満面の笑みで頷かれ、なにも言えなくなる俺だった。
そのあと、細かいものを色々と買って買い物が終わり、俺の手には大きな袋が二つ
フェリアが申し訳なさそうにいってくる
「申し訳ないですよ、片方持ちます」
「いいって、荷物持ちは男の役目っていつもいってるだろ?」
そう返して笑うと、フェリアははにかみながらありがとうございますと言ってくれた。
こういうとこでカッコつけておかないと、買い物に一緒に来る意味無いよな。
山の向こうに消えかかる太陽に、心のなかで呟いた。
翌日
「フェリア~、おはよう~…」
キュイィィィィン…
「はい、おはようございます、すぐにご飯作りますね」
タッタッタッタッ…
「…作ってもらうのは良いんだけど、この早起きどうにかなんねーかな…」
パタリ…
…Zzz
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