Challenge 11 ― さよならジュリエット ―

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 二歳違いの兄が異母兄弟だと言う事は、いつ頃からか知ってはいた。  しかし、雅晴が言うように二人は本当の兄弟以上に公平に育てられ―― まさか雅晴がこんな事を考えていようとは、信彦は思ってもいなかったのだ。 「でも、だからって母さんのために二条院の名を捨てるなんて……。母さんは喜ばないよ! 母さんは兄さんが大好きなんだから!」 「勘違いするなよ。家を出るのはそのためじゃない。自分として生きるため、夢を現実にするためだよ」  ムキになった信彦に、雅晴は宥めるように言葉を掛けた。 「やっぱり映画監督になるつもりなんだね。でも、父さんはきっとそんな事認めてくれない」 「そうだな。きっと凄い剣幕で怒るだろうな。間違いなく勘当だ」  確かにワンマンな晴信が、自分の計画に沿わない事を許すはずが無い。  雅晴はフッと笑った。
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