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「それが狙いなんだけどね」
「兄さん……」
「そんな顔するなよ。おまえとはいつまで経っても兄弟だよ」
これ以上止めても無駄だと思ったのか、信彦は諦め顔でシートに座り直した。
自分とは違って、兄は昔から一旦言い出したら決して後には引かなかったからだ。
そこの所は、明らかに自分よりも遙かに濃く父の血を引いていた。
「どんな計画なのか知らないけど、実行するのは大変だよ?」
「そうだな。でもあいつなら大丈夫、絶対上手くやるさ。ま、兄さんたちを見ていてくれ」
「あいつ? 兄さん―― たち?」
不思議そうに顔を見た信彦に、雅晴は微笑んだ。
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