軽快な少女【知を知らぬ娘】

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ララ ラ! 私は可愛らしい少女 長く輝く髪 黒く大きな瞳 白い頬も薄紅の唇も 素敵でしょう? でも私はそれを知らないの! 素敵でしょう? ララ ラ! 私は魅力的な子供 愛でられる 愛される 構われる 幸せな子供 今日も信頼されているの! いいでしょう? 手にした古本の帰る場所 師は報せるのを忘れたらしい 歩くだけでは分からないのに 【訪れたのは旧図書館】 【暗く広いその地は】 【何故今、古きとされているのか】 【私は知らないままでいいわ】 想像の恐怖 目に見えぬ幻覚 靴音に怯え 振り返る背後 小さな物音に逃げ惑い 私は光を見失った… ねえ君、 ああ驚いたと 溜め息をつく暇もなかった だって初めまして 愛しい貴方は誰? 【彼と私の出会いはこんなところだろう】 【年上の彼は暖かかった、そして】 【とても冷たかった】 【でも構わないと感じたのはきっと】 【貴方は私とは】   ララ ラ! ララ ラ! 私は愛くるしい少女 黒く艶やかな髪 凛とした瞳 細い腕も小さな背中も 素敵でしょう? でももっと私は美しくなった! 素敵でしょう? ああ…恋をするって素敵ね! 愛しい彼を見つけたわ その物語を知りたいわ 私もそこに居てもいい? 貴方の名前を呼んでいい? 「嬉しい…ありがとう!」 桃色が降って来る 桃色を受け止める 時に染まった()の肌 共に染まった(ヨシノ)の胸 ああ恋をするって素敵ね! ララ ラ! 私は可愛らしい少女 長く輝く髪 黒く大きな瞳 白い頬も薄紅の唇も 素敵でしょう? でも私はそれを知らないの! 素敵でしょう?     【まるで違う日々を知っているから――】【そうでしょう、ねえ?】     
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