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蓋に手をかけると
もともとあった封が切られるように
すうっと開くことができた
そこには
古い紫色のクッションのようなものに
ポツンと小さな指輪が
大切そうに置かれていたのである
指輪には細かな細工が施されており
そこらへんのものとは比べ物にならないということが見るだけでわかった
まるで自分のもののように
右手の薬指に運び
しっかりと指をとおした
すると、その瞬間
瞬く間に自分のまわりが光で包まれ
頭の中で何かが割れるような音がした
そして、目の前が真っ白になり
桐人は気を失った
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