第一章~始まりの瞬間~

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「私にも分からない ただ私もアナタと同じ 何時からかそこにいて 現に息をし 体をうごかし 存在している」 「そっか…根拠はそこにあったか…」 “アナタは大丈夫…” 「着いたよ」 誰も居ない部屋…真っ暗だ 突然電気がついた 「何だ?!」 俺があたふたしているにも関わらず 平然と話し出した千里 「彼がリーダーのザームよ」 彼女が手を伸ばした方向に 目をやり凝視してみた 「黒服に暗がりで見えなかった…」 確かにそこには後ろに髪の毛を束ねた ヒゲ面の二十代くらいの男が居た 「やぁ刹那!私の名はザーム この地下の指揮官だ」 「刹那?…俺の事?」 「あぁ。」 平然と理解し難いことを 言ってくれるなぁ…ザーム 何故お前が知ってて 俺が自分の名前を知らない 「何故俺の名前を知っている?ザーム」 「ザームは何でも知ってるの。」 千里が口を挟んできた 「何でも知ってるだと?」 「そう何でも」 「ふざけるのもいい加減にしろ!」 「ザームは何でも知ってる! 嘘じゃない。 私があの場所に行ったのも ザームが指揮をとったから アナタが生きていると言ったのもザーム 大丈夫って言葉も… ザームが教えてくれた! 人を安心させる魔法の言葉!」 「魔法の言葉…?…」 そんなものは気休めだ ザームかなんか知らねーが 「俺はお前(ザーム)を…認めない。」 「それは君の自由だが…?。 千里…刹那を案内してあげな」 「了解。ザーム」 「刹那。信じるも信じないも 君の勝手だよ」 「変な宗教団体に入るつもりはない帰る」 「今は出ない方が良い まぁゆっくり考えるんだ」 「せ…せ…刹那?」 「何だ?」 「アナタは大丈夫」 「またその言葉か… もういいょ。気休めは。」 「アナタは死なない」 「人間だぜ?何時かは死ぬんだ」 「いえ?…これは確信よ?」 「根拠は?」 「また気にするのね 当たり前のことに根拠は必要?」 「死なないのは当たり前じゃないだろ」 「当たり前なの アナタ一人の基準じゃないわ この世界の全てを基準にした時よ その内わかるわ?」
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