弟と名乗る人物

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  ある日、玄関を開けると、スーツ姿の男性が満面のセールススマイルで立っていた。 ……それは平日の昼過ぎのことだった。 こんな時間に訪ねて来るのは、セールスか宗教の勧誘しかない。 主婦歴6年の経験で、チャイムが鳴った瞬間にそう思っていた。 見たところ、ハタチ前後くらい。 金色に近い茶髪を無造作に左右に流した、ムダに爽やかなイケメンだ。 あ、悪徳商法か。 今までの経験でそう察知した。 さあ、どう出る? 私はそう簡単に引っ掛からないよ?
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