玉響ラプソディ

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「では班ごとに計画を立ててください。」 級長の声で、クラス中の机がガタガタと鳴った。班ごとに机を合わせて顔を突き合わせる。 男女が向き合う形。隣りにカナちゃんが来る。 アタシの班は6人。男女3人ずつだ。 カナちゃんの前にきた男の子(確か安藤くんとか言う)は、嫌そうな顔をして、カナちゃんから少し机を離した。 それを見て、他の2人の男の子がニヤニヤする。 「ちょっと、」 言いかけたアタシのジャージの袖を、カナちゃんがクンッと引いた。 勢いで椅子から浮きかけた腰を再び下ろすと、アタシと目を合わせたカナちゃんが小さく首を横に振った。 「じゃ、行く所決めようか」 アタシのもう片方の隣りに座る班長は、まるで何事もなかったように言う。 咄嗟に唇を噛みしめた。
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