純血の花嫁

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原『明日とうとう結婚式かぁ』 那「そうだね…。左之…本当にあたしでいいの?」 原『なに言ってんだよっ…俺が好きでもねぇ女にプロポーズすると思うか?』 左之は呆れたように頬杖をついてる。 まぁ普通はそうだよね。 でもあたしはどう見ても普通ではない。 両腕に着いた無数の傷跡… 普通に出来る傷ではない。リストカットだ。 昔からあたしは嫌な事があると腕に傷をつける癖がある… だから年中長袖だ。 多分優しい左之はほっとけなかったからプロポーズをしたのだろう。 あの日の夜は… 左之は新八さんと言う友達とよくキャバクラに行くとの事で やましい気持ちがないからか、マメなのか毎回連絡してきたのだ 【新八とキャバクラいってくらぁ】 あたしと付き合う前から恒例だったみたいだからしょうがないのだが、 あたしには耐えられなかった…。 スッ… と刃を滑らすと鮮血が溢れてくる。 手慣れたものだ、自潮的な笑みを浮かべる。 今日も左之はキャバクラか… 綺麗なお姉さんとお話してるのかなあ‥? そんなことを呑気に思いながらソレ をやっていたら… 『ただいまーったく新八の奴、用事思いだしたとかでお開きになっちまっ……那美…?』 那「……っ!!左之!?」 原『……お前なにしてんの?』 那「い…いやっ!こないで!!」 あたしの言葉を無視してどんどん近付いてくる。 原『おまっ、こんなこと…だから一年中長袖なのか?』 しゃべる気にもなれず縦に頷く 原『全て最近のって訳じゃねぇよな…今日はなんでしたんだ?』 ――ビクッ これを言えば完全に引かれる。そんなことで…って。 那「左之がキャバクラ…行った、から…」 左之の眼は言い訳を嘘をつけるような眼じゃなかった… 終わった…完全に… .
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