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『葉月ちゃん!好きだよ。』
『私も宗ちゃん好きだよ!』
幼い時の…夢を見た。
僕が好きだと言って…彼女も好きだと言ってくれたんだ。
彼女の顔は影が掛かってて見えない。
幸せな思い出のはずなのに、酷く心が痛かった。
なぜだろう…。
昔からご近所で、僕の世話を良くやいてくれた3つ年上の葉月さん。
両親を無くした彼女は、幼い弟や妹の為に遊郭で働いている。
姐御肌の彼女は、あんな男の下手に出て媚びを売るような仕事はきっと似合わない。
僕と付き合ったら僕が全部生活資金出すのに。
一度冗談混じりで言ったら笑ってあしらわれた。
総ちゃんに心配されるほど、私は落ちぶれてません。
そーゆーつもりで言った訳じゃないのに。
君が好きなんだよ、弟扱いはもう止めてよ。
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