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葉月ちゃんが好きだよ!
私も宗ちゃんが好きだよ!
あの時は、いつも後ろにちょこちょこ付いてくる宗次郎が可愛くてしょうがなかった。
可愛かった宗次郎、あの頃以降なのだろうか…
私達が変わってしまったのは…。
その後宗次郎は試衛館へ内弟子として私の下から離れて行った。
私には弟と妹が3人出来て両親は事故で亡くなった。
稼ぎ手が私しかなく必死に働いたが、それでも生活は厳しくて…京にいる知り合いがいい店を知っていると連絡があって紹介されたのが遊郭だった。
私は遊郭なんて所はガラではなく行きたくなかったが、歯を食いしばるしかなかったんだ。
最初は京訛りなど知らなかった私は裏方に徹して徐々に接客、言葉遣いを覚えいった。
やっと慣れて来た心地好い桜の季節。
『君ってもしかして。』
腕を掴まれてビクッと身体が反応する。
『あの、なにか用でしょうか?』
背の高い美少年が私の顔をじーっと見る。
『葉月さん…だよね?』
確信したように私をまた食い入るように見る。
何故私の名前を…
「仰しゃる通り私は葉月ですが…」
どなた様?と聞こうとした時だった。
ぎゅっと身体を抱きしめられた。
『ひぁっ』
『葉月さん久しぶり!』
いい男だから悪い気はしないが、やっぱり怖い!
『あの、どなたでしょうか?』
『えー分かんないの?僕だよ、宗次郎』
――――Σ!!
宗次郎って宗ちゃん。
『分かってくれた?久しぶりだしお茶しようよ。』
半ば無理矢理連れていかれ、色々な話を聞いた。
元服して沖田総司と名乗った事。
会津から働きが認められ壬生浪士組から新選組になったこと。
副長助勤をしてること。
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