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ある日の事。
総ちゃんは非番で私の仕事もまだ時間があるから、二人で会った時に唐突に聞かれた事。
「ねぇ…いつ辞めるの?」
きっと遊郭の事だろう。
辞める事は出来ない、生活があるから。
知っているはずだけど、聞いてくるってことは…もしかしてを期待してるから?
「そうねぇ、私と弟達を養ってくれる素敵な旦那様が出来たらかなぁ。」
「だから僕が養うって言ってるじゃない…結婚しよっか!」
ニヤッとした冗談っぽい質問に私も笑顔を貼付ける。
うん、と言ったらどうするのだろう。
私にそんな権利はないけど。
「ダメよー、かわいい弟に手なんて出せないわ!」
「弟、弟ってそんなに変わらないじゃない。」
ごめんね。
「三つは大きいわよ!あーあ、総ちゃんが年上ならなー」
泣きそうな顔をしてた。
あなたが気にしてる事だもんね。どう足掻いても縮まる事はない。
分かっててどうしようもないことを言うんだ。
本当に残酷…。
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