二人

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  彼は拗ねると私の指輪を隠すけどいつも同じ場所に隠すのが癖。もしかしたら、彼の優しさなのかもしれない。 拗ねながら指輪を隠している彼を想像すると、思わず笑ってしまった。俯せに寝ていフリをしている彼を置いて部屋を出た。 今日は先に行って待ってようかな。 白のコートを羽織り、マフラーを巻くと玄関を出てある場所へ向かった。 着いたのは歩いて十分の家からそう遠くない所にある小さな公園。賑やかな繁華街から少し離れ、沢山の自然が溢れている。公園といっても、砂場やブランコがある訳じゃない。二人ぐらいが座れる、汚いベンチが一つあるだけで後は緑しかない。川沿いに草が生えてて木が囲むように生えてる森林みたいなところで目の前には大きな川が見える。 ここは高校生の頃、彼とよく来た場所。喧嘩をしたらここに来るというのが二人の約束。 「もっと厚着してくればよかった」 そう一人で呟くと、公園にたった一つしかないベンチに腰を下ろす。真冬の公園は思った以上に寒く、手を激しく擦り合わせた。  
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