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川の向こう側の枯木の合間見える夕日を見つめるが、何故か眩しく感じられない。真っ赤な光は私の後ろに普段より濃い陰を作り出している。
二十分程すると、草の中に通る一本の道を歩いて来る彼の姿を見つけた。
「か…和馬!」
真冬寒さで冷え切った私は声を震わせながら彼の名前を叫んだ。
すると、彼は私が先に来ている事にビックリしたのか少し顔を強張らせ見つめて来たが、すぐに口を尖らせてフイッと別の方を向いてしまった。
彼は迎えに行った私を通り越し、さっき私が座っていたベンチに腰を下ろした。私は隣に座るのは気まずかったため、少し間をおいて腰を下ろした。
その後、しばらく沈黙が続いた。
謝らなきゃいけない。
元々は私がいけないのに。
そう、私がいけない。
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