夕方の屋上で

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どうも、凶暴な類の宇宙人ではないっぽい感じはするけど、宇宙人っていうのは信じにくいよな。 なんといっても、まず現れた宇宙人というのは頭に特徴的な角が生えている以外は俺達日本人と変わらないし、言葉も普通に通じてるからな。 それよりも、いまの宇宙人の発言で俺は気になった事があるわけで・・・ 「あの、リップさん・・・でいいんだっけ?」 「あ、はい。  私の事は、リップと呼び捨てていただいて構いませんよ。」 「恭子の声で呼び出されたって言ってたけど、恭子は普通の地球人だぜ?  そんな力があるとは思えないんだけど?  それと、あんた本当に宇宙人?  見た目が地球人と変わらないうえに、なんか普通に言葉が通じてるってのもあって信じられないんだけど。」 とりあえず、俺の気になった事を早口でリップさんに伝えてみた。 恭子との会話に割り込まれ、一瞬戸惑いを見せたものの次の瞬間には冷静に俺の言葉を聞く体勢へと移っていた。 そして、俺の質問を受け取ってからは少し考え込み、そのあとで恭子の方を一度見てから口を開いた。
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