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大樹と光輝が友達になったところで、ようやくそれを見守っていたナツが大樹たちの前に歩いてきた。
「大樹…友達になるのはかまいませんが、彼を…光輝を連れていくのは無理がありますよ。」
鋭い双瞼が大樹を捉えて離さない。
本気で止めるつもりなのだろう。
身体中が何かに押し潰されそうな感覚を感じる。
ナツは自分以上にかなりの力を持っているのだろう。
だが、大樹も退くつもりは更々無い。
きっとこれは必然だと思うのだから。
「なら…ナツを倒していくよ。」
大樹の右手に炎が凝縮すると、それは細長い剣となる。
切っ先をナツに向け、殺気を放った。
そのまま数十秒が経過し、ナツは目を閉じて顔を伏せた。
ため息が漏れると呆れたような表情を浮かべ、大樹を見た。
「いいですよ。私と戦う選択肢を選ぶぐらいの覚悟があるのなら、光輝君を任せて大丈夫でしょう。」
ナツは純白の翼を広げ、大樹と光輝を抱き抱えた。
「天界のみんなには私が伝えておきますから、心配はいりません。すぐに下界に送ってあげますからね。」
大樹と光輝はナツに牢獄の入り口まで運んでもらい、天界へと戻った。
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