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大樹と光輝はナツに天界に連れてきてもらったが、何せ光を見るのが久しぶりなぐらい暗い場所にいたのだ。
「眩しいな……」
大樹は瞼を薄く閉じた。
大樹はまだ完全に瞼を開けられはしないが、光輝を見た。
見てビックリだった。
光輝は眩しいという仕草を一切感じないくらいに、光を眺めていた。
まるで二度と忘れないように目に焼き付けるように。
「これが……光か。眩しいな。」
手を伸ばし、求めるが、手は届かない。
大樹は地下牢から光を求めた事を思いだし、自分と光輝が重なった。
「似てるよ…本当に。」
小さく笑みを浮かべ、光輝を見る。
光輝はただ、本当に嬉しそうに笑っていた。
「さて……ん?」
大樹が周りを見回すと、自分を見る視線は恐怖ばかり。
堕天使と一緒にいるのが余程怖いのだろう。
いい気分ではない。
「いつか……」
「ん?」
光輝が小さく呟き、大樹を見た。
「いつかみんなの恐くじゃなくて、感謝みたいな目を見る事が……僕に出来るかな?」
「ああ、出来るさ。俺が保障してやるよ。」
大樹はナツの前に立ち、光輝もその横に並んだ。
「じゃあ行くぞ。どこまでも付いてこいよ?」
「ああ…。僕は大樹を信じるよ。」
大樹と光輝はナツに転移してもらい、元の世界へと旅立った。
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