八年後……

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大樹は着替えると自分の部屋を出て真っ直ぐに母親の元に向かった。 母親、と言っても本当の母親ではない。 茉莉ではなく、別の人物である事は明白である。 焔の血族は殺そうと思っているのだから。 大樹は一つの部屋の前に着くと、少し溜め息をついた。 「用事って…こんな朝からなんだろうな。」 ギルドマスターの部屋と書かれたプレートが掛かった部屋をノックし、中から返事がしたので大樹はゆっくりとドアを開けた。 「おはよう、大樹。朝からごめんね。」 そこにいたのは青色の長い髪を靡かせ、大樹を見る女性がいた。 整った顔、優しげな瞳、白い肌。 歳は25歳であり、若くして才能を持て余す程のギルドの長。 17歳の時に大樹と光輝を拾い、今まで育ててきた大樹と光輝の恩人であり、母親。 ギルドマスター、「間宮佳代ーマミヤ カヨ」 「いや、いいよ。母さんには世話になってるし。それで用事って何?」 遅れて光輝も部屋に入ってくると佳代は微笑み、小さな口を開いた。 「間宮大樹、間宮光輝。あなたたち二人にはクロスフォード学園に通ってもらいます。質問があればどうぞ。」 無いだろうと思っても一応聞いてみた佳代の予想とは大きく外れ、迷う事無く手をあげた二人。 「じゃあ大樹。」 むっ、と眉を潜める佳代は大樹にまずは聞いた。
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