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とある平原に、魔物がウヨウヨと蠢いていた。
蠢いているだけでなく、進行している。
そして、それをギルドの者が止めていた。
「くそっ!!数が多すぎる!!増援はまだかっ!?」
「まだ到着していません!!このままでは……」
魔物は一万程の数を誇っていて、二千人程のギルド員が戦っているが、圧されている。
「死ぬ気で止めろ!!町に入られては家族が危険に晒されるのだぞ!!民間人を守るのが我々の仕事だろう!!」
各々が奮戦するが、勢いは衰える気配が無い。
魔物が腕を振りかぶり、ギルド員は殺されると悟った。
走馬灯のように家族を思い出すギルド員が諦めかけたその時、戦場が光った。
「無理すんなよ。」
光は一閃であり、気づけば戦場の上空に二人のローブを着た者がいた。
それは、そこに最初からいたように。
そんな錯覚がギルド員の頭を過った。
強烈な存在感を持つ二人を見て、ギルド員は再び瞳に希望を灯し、立ち上がった。
「闇帝…。一気に終わらせるぞ。」
「了解。さっさと帰って母さんの書類でも手伝おう。」
漆黒のローブに焔が描かれたローブを着た者と白いローブに二本のラインが入ったローブを着る二人。
ゆっくりと右手を翳し、魔力が凝縮される。
そしてそれを、魔物に向けて放った。
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