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焔と闇の波動が戦場に降り注ぎ、一万の内二千程の魔物を消し去った。
「流石に多いな。学園に通う前に一万の魔物止めてこいとか母さんも無茶言ってくれるよ。」
「でも別に「皇帝」は僕が居なくても一人でやっちゃうでしょ?」
「皇帝」と呼ばれた焔がイメージされたローブを着た者は振り返り、ギルド員の団長を見た。
「下がってくれ。巻き添えをくらっちまったら死んじまうからな。」
「ハッ、皇帝様。全軍後退!!」
ギルド員は統率された動きで戦場を後退していき、皇帝と闇帝の二人となった。
「さて、一気に終わらせるか……」
皇帝の右手に凝縮された小さな拳サイズの球体が現れた。
その色は……血のような赤。
「ブラッドインパクト」
皇帝はその球体を魔物の群れに投げると、それは魔物に当たった瞬間に爆ぜた。
残った八千程の敵は爆炎に巻き込まれ、全てが消え失せた。
残ったのは焼け焦げた草原だけ。
「帰るぞ、闇帝。」
「うん。今日も頑張ったね。」
皇帝と闇帝は転移する前に団長の元に行き、頭を下げた。
「俺たちが来るまで頑張ってくれてありがとな。」
「いえいえ、勿体無いお言葉です。」
団長は丁寧に頭を下げた。
「あと、死ぬぐらいなら逃げろよ?辛い戦いの為に俺たちみたいなのがいるんだからな。」
皇帝はそう告げると、闇帝と共に転移で帰っていった。
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