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闘技場に着くまでに俊と話していた大樹と光輝だったが、案外俊は良い奴で仲良くなっていくのだった。
貴族は自らの権力を誇示するような輩が多いが、俊はそんな事は無く分け隔てなく接する事が出来る。
昔大樹へ虐待をしたのは俊の兄。
弟はまともだった。
すぐに打ち解ける三人であった。
闘技場に着くと、ぞろぞろと人が騒いでいるようで、このクラスはこんなにいるんだなと少し大樹は驚いた。
ガヤガヤとした人だかりの中、誰かが大樹に近づいてくるのを大樹自身感じ、その人物に目を向けた。
「まさか……学年繰り上げしてやがる。」
朝は何故気づかなかったのだろうか。
自分自身に怒りを覚え、騒ぎだそうとする憎悪を無理矢理抑え込む。
ダメだ。
今はダメだと抑え込む。
大樹に向かって来たのは……
……華恋。
「マジ…かよ…」
「あれって…大樹の妹の…」
光輝は顔には出さないもののひたすら焦った。
大樹と出会ってから、一度大樹は何故強いのかと聞いた。
迷う理由が無かった。
だから大樹は答えた。
家族を、焔を抹殺するためだと。
こんなにも接触が早いとは思いもしなかった。
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