八年後……

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闘技場に着くまでに俊と話していた大樹と光輝だったが、案外俊は良い奴で仲良くなっていくのだった。 貴族は自らの権力を誇示するような輩が多いが、俊はそんな事は無く分け隔てなく接する事が出来る。 昔大樹へ虐待をしたのは俊の兄。 弟はまともだった。 すぐに打ち解ける三人であった。 闘技場に着くと、ぞろぞろと人が騒いでいるようで、このクラスはこんなにいるんだなと少し大樹は驚いた。 ガヤガヤとした人だかりの中、誰かが大樹に近づいてくるのを大樹自身感じ、その人物に目を向けた。 「まさか……学年繰り上げしてやがる。」 朝は何故気づかなかったのだろうか。 自分自身に怒りを覚え、騒ぎだそうとする憎悪を無理矢理抑え込む。 ダメだ。 今はダメだと抑え込む。 大樹に向かって来たのは…… ……華恋。 「マジ…かよ…」 「あれって…大樹の妹の…」 光輝は顔には出さないもののひたすら焦った。 大樹と出会ってから、一度大樹は何故強いのかと聞いた。 迷う理由が無かった。 だから大樹は答えた。 家族を、焔を抹殺するためだと。 こんなにも接触が早いとは思いもしなかった。
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