八年後……

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"お姉様"とは、大樹にとっては姉にあたる人物。 自らの心を風化させていった根源の人物と言ってもいい。 大樹を二年間虐待した張本人。 それが大樹の姉、「焔咲ーホムラ サキ」。 「何の用ですかね。焔の次期後継者様が…。」 スタンッと咲は大樹の前に降り立ち、大樹を見る。 「大樹…まさか生きてたなんて驚いたわ…。ずっと死んだと思っていたけど…。」 浮かべた表情は再会を喜ぶような笑顔。 だが、大樹も同じというわけではなく、いつも通り無表情。 「何の話ですかね?俺は焔なんて大貴族とは何の関係もありませんけど。」 思わずため息が漏れる。 「けど……」 咲を睨み、冷徹な殺気が咲を包む。 「妹がすぐ傍にいるのに魔法を放つのは感心しないな。気絶してんだから、当たったら致命傷だぞ!?」 「どうせ防ぐのはわかってたし、華恋に勝ったぐらいなら防げるでしょ? そんな事より……」 深く、怒りに満ちた殺気が大樹を捉える。 「大事な妹をよくも傷つけてくれたわね、愚弟!!」 咲は大樹へと突っ込み、拳を振り上げた。 「だから……」 低い声が咲の耳に届いた次の瞬間、咲の体は吹き飛んでいた。 転がり、倒れる咲を大樹は見下し、聞こえるように呟く。 「弟じゃねーつってんだろうが!!」
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