落ちこぼれの烙印

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それから四年の月日が経った。 咲は七歳、大樹は五歳、華恋は四歳へと成長し、華恋も大樹同様に驚くべき成長を見せていた。 大樹は華恋が生まれたその日から華恋にべったりで、五歳になった今でもずっと一緒にいる。 余程華恋が可愛いのだろう。 華恋も華恋で大樹に毎日べったりで、毎日一緒にお風呂に入ったり、一緒に寝たりと微笑ましい仲であった。 そしてこの日は、霧弥に呼ばれて魔力測定をするため、霧弥と茉莉、咲と大樹と華恋は謎めいた光を放つ水晶の前に立っていた。 「さぁ大樹と華恋、今日はお前たちの魔力を測定する日だ。咲みたいに、いつも通り俺と茉莉を驚かせてくれよ?」 嬉しそうに言う霧弥は本当に期待しているようで、終止笑顔である。 咲は既に魔力測定が終わっていて、非常に優秀であった事は言うまでもない。 「まずは華恋からだ!!水晶に手を当ててみろ。それで魔力が分かるから。」 「うん、わかった。」 華恋はゆっくりと水晶に右手で触れた。 すると水晶に付けられたメーターが動き始め、それはブレながらも動きを止めた。 「ふむ、魔力値は6000か。流石は俺の子だな。」 四歳から五歳の子供の魔力平均値は高くても3000程度であり、華恋はその倍あるという結果。 類い稀なる潜在能力だ。 「次は大樹の番だ。華恋で6000ならば大樹は10000はあるんじゃないか?」 「私は7000だったけど大樹なら確かにあるんじゃない?」 咲が初めての計った時は7000で、華恋よりも少し多いという感じだ。 大樹は長男なのだから、期待されるのも仕方ない。 大樹は霧弥の言葉で水晶の前に立った。 その先にある不幸を知らずに。
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