新しい日々

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僕は、三浦くんに聞きたいことがひとつだけあった。 「なぜ 僕を案内するのに選んだのか」 それがずっと疑問に思っていた。 最初は、聞かないでいいと思っていたが段々と理由が聞きたくなってきた。 「ただ、なんとなく」とか「友達いなさそうでかわいそうだったから誘った。」とか言われたらどうしようとか思っていたけど。 こんなことを思っているとキリがない。 僕は、つばを飲み「み、三浦くん」と勇気を出して聞くことにした。 三浦くんは、オムライスを食べながら「ん? どした?」と言った。 僕は、「あ、あの なんで今日僕を誘ったの? ここらの地域を知ってる人なんて僕以外にもたくさんいるのに…」 三浦くんは、口に入っていたごはんを飲み込み残り少しの水を飲み干し紙ナプキンで口を拭いた。 そして、「理由なんてないよ」と言った。
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