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『ぁ、んっ…』
首筋に舌を這わせると、彼の口から甘い吐息と声が洩れた。
呼吸を整えようと大きく息を吸い込み、深く息を吐く。
行為を終えた後の体は熱くて、汗でべたべたするけど、それがすごく好きだったり。
『…不動…痕、つけるな…』
鎖骨の辺りに歯を立てようとしていた事に気付いたらしく、彼の綺麗な手がやんわりと俺の肩を押した。
『なんで?いいじゃん。所有印みたいなもんだ』
『面倒なことになるだろ…』
ああ、あの眼帯が発狂するかもなぁ。
だけど佐久間が何を言おうが鬼道クンは既に俺のものだという事実は覆せないし。
未だ俺を遠ざけようとしている彼の手をとり、恭しく手首にキスをした。
それだけで小さく体を跳ねさせる。
本当に感度いいんだから。
『面倒なことにしてやろうじゃねーか』
ぎゅ、と彼の手を逃がさないように握って、そのまま首元に噛み付く。
『ぅあっ!馬鹿、やめ、んっ』
このまま噛みちぎる事も出来るな、なんで考えはすぐに打ち消された。
甘噛みすると素直に反応してくれる。
きつく吸い付けば赤い鬱血痕が残り、視覚でも満足。
噛み痕も残してしまったけど優しい鬼道クンはいつも許してくれる。
( マントやユニフォームで見えないところに付けた場合だけ、だが )
『鬼道クン可愛い』
『やめろと…言った、のに…!』
『そうだっけ?聞こえなかったぜ?』
『っ…』
何か言いたそうにしていたけど、ふぅと溜め息を吐いて枕に顔を埋めてしまった。
情事の後だ、きっと疲れてしまったのだろう。
今日は何回やったっけ?
頭の中で数えようとしたけど、生憎行為に夢中になりすぎて数など覚えていなかった。
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