3,先生に穴

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「中川町図書館?」 「月光図書館。何度言えばわかるのですか?あそこはそんな名前ではありませんよ。館長でさえ早々と、その名で図書館のことを呼んでくれるようになりました。」 ずいぶん物分かりの良い人間だな。 「そうと決まれば、行動に移すのみですよ。だらだらしていると先生のことだから行かないと言い出しそうです。」 「そんなことは言わない。」 生活がかかっているのだ。 「それで、先生はその格好で行くのですか?」 「もちろん。ジャージさ。図書館に行くのに着替える必要はないだろう。」 辺銀は私のことを悲しげな眼で見た。 「先生はきっと後悔しますよ。自分は図書館に行くのになんて恰好をしてきてしまったのだろう。と。なんて浅はかだったんだ。と。必ず口にすることでしょう。」 「何故そう言い切れるんだ。」 「僕と仲良くなる人は、変人だけだからですよ。」 すると私も変人なのか。 そんなことを聞いたら即、肯定されることだろう。
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