7,いじめっ子はだーれだ

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その後私たちは図書館でそれぞれ思い思いに動いた。 私はもちろん、 これからの私の生活のために、 頭の端に引っかかるような何かを求めつつ、様々な知識を頭に入れようと苦心していた。 辺銀はというと、周りの人間に不振がられることもなく、ゆっくりと図書館を詮索し本を開いていた。 辺銀は毎日図書館に来ると言っていたので、 それが日常の風景として図書館に馴染んでいるのだろう。 そんなものをうっかりと見てしまっては危ない。 そして見惚れたら最後、 辺銀が5冊目の本に取り掛かろうという時まで見続けてしまうのだ。 それは時間にすると一時間ぐらい。 しかも私はすでに3回は見惚れている。 もう時間は4時を回った。 やばい。 何の知識も入らなければ、アイディアも浮かばない。 この数時間で頭に入れたものと言えば、辺銀の本を読む姿。 お、終わっている。
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