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昔、人が霊力に恵まれ世が劇的に変貌を遂げた平安。
機械技術と霊的技術が共に発達し人々の生活が大きく変わった時代の話。
その劇的な発達のせいか他の国から異端視され拒絶された日本。
その日本で、特に中心となった都―それが『平安京』と呼ばれる都である。
全体が不可視の結界に守られ人々は豊かな生活を送っていた。
そんな平安京から遠く離れた集落、二人の老夫婦が農家を営んでいた。
自然に恵まれ、何不自由なく暮らしていた。
ある日、翁がいつものように薪を取りに林の中へ出かけた時老人の視界にあるものが見えた。
林の奥で何かを抱くように眠る一人の少女だった。老人は少女の姿に少しだけ悲鳴を上げた。
全身に浴びたように返り血がべったりと付着していた。その容姿には似合わない無垢な寝顔。
そして、抱くように何かを持っていた。それを見た瞬間老人はまた悲鳴を上げた。
男のものと思われる『生首』を少女は愛しそうに抱いていた―
本当に 愛おしそうに
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